【登録販売者監修】気象病とは?具体的な症状とセルフケアの方法も紹介

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日本には四季があり、6月になると梅雨に入り、台風も発生しやすくなりますよね。

低気圧の接近が多くなるとともに、「頭痛」や「めまい」などに悩まされる人も少なくないでしょう。

そこで、今回は、梅雨時期に入ると引き起こされやすい「気象病」について、解説していきます

また、気象病の具体的な症状やセルフケアの方法も紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

筆者自身も気象病による頭痛や倦怠感に悩まされた経験があり、医薬・健康情報の学びを深めながら、実践的な対処法を取り入れてきました。
この記事では、そうした経験と登録販売者としての知識をもとに、信頼性の高い情報をお届けしています。

目次

気象病とは?天気痛との違いは?

梅雨時期に入り、出社や外出がイヤでたまらないという人も多いのではないでしょうか。

「気象病」や「天気痛」という言葉を聞いたことがあるという人もいるかもしれません。

「気象病」には、どのような特徴があるのか、「天気痛」との違いはあるのかを詳しく解説していきます。

気象病は「気候によって受ける影響全般のこと」

気象病は「気候の変化によって受ける影響全般のこと」です。

主な気候の変化には、次のようなものがあります。

  • 気圧の変化
  • 気温の変化
  • 湿度の変化

気象の変化によって心身の不調があらわれる場合があり、これを「気象病」と呼ぶことがあります。

自律神経の乱れが起きることで、頭痛やめまいといった体の不調を感じる方も少なくないです。

さらに、体だけではなく、精神的な不調として「憂うつな気持ち」も生じがちになります。

「気象病」は、体への影響だけでなく、精神的な憂うつなどの変化全般を指すのですね

気圧や温度、湿度の変化で心身ともに疲れてしまう場合は、医療機関に相談してください

天気痛は「悪天候によって痛みが悪化すること」

天気痛は「悪天候によって痛みが悪化すること」をいいます。

気象病の中でも痛みを伴ったり、精神的に不安な感情が強くあらわれたりするのが「天気痛」です。

身体で感じる痛みや、強い精神的な不安感や不眠などは、気象病ではなく「天気痛」と説明されることがあります。

天気によって痛みを伴うから「天気痛」と呼ばれるんですね!

天気の変化で、身体の痛みや強い心の不調を感じたら、医師に相談してくださいね

気象病・天気痛は正式な病名ではない

気象病・天気痛は正式な病名ではありません。

医学的な側面からの「病気」という分類には、当てはまらないとされています。

とはいえ、気圧や気温・湿度による心身への影響は、近年起こり始めたわけではないようです。

一説には、1930年代から気象病や天気痛の研究が始まっており、昔から体調と天候の関係はあったのがわかっているとのこと。

現在は、日本生気象学会「気象病•天気痛研究委員会」が発足されており、気象変動と健康の関係の研究が進められています。

気象病や天気痛への研究が進んで、効果的な対処法が見つかれば嬉しいです

研究が進むことで、少しずつ対策しやすくなっていくといいですね

気象病・天気痛の具体的な症状

気圧や温度・湿度の変化が主な原因と考えられる「気象病」。

気象病の具体的な症状についてもまとめてみました。

また、「気象病」の延長で引き起こされやすい「天気痛」の症状も紹介していきます。

気象病によってみられる具体的な症状

「気象病」よってみられる具体的な症状は、以下のようなものがあります。

気象病で引き起こされやすい体の変化

  • 動悸
  • 息切れ
  • 血圧上昇
  • 食欲低下
  • 発汗
  • 便秘
  • 頭痛
  • めまい

気象病で引き起こされやすい心の変化

  • 不安
  • イライラ

気象病で引き起こされる具体的な症状は、主に自律神経のバランスの乱れによるものとされています。

自律神経の乱れを起こす原因とされるのは、気候や温度・湿度といった体で感じられる変化です。

気象病は、「正式な疾患」ではありません。

しかし、少なからず体への影響を与えるため、低気圧の接近など大きく気候が変わるタイミングには注意するようにしましょう。

気象病の具体的な症状は、体にも心にも表れやすいのですね

気候の変化による自律神経の乱れは、誰にでも起こりうるので気をつけて過ごしましょう

天気痛による具体的な症状

「気象病」とされる症状の中でも、特に痛みを感じる「天気痛」による具体的な症状も紹介します

身体に起こる具体的な症状

  • 頭痛
  • 関節痛
  • 腰痛
  • 古傷が痛む

心に起こる具体的な症状

  • 不眠
  • 気分の激しい落ち込み
  • 強い倦怠感

天気痛は、気象変化によって「頭痛」や「関節痛」などの身体への痛みがあらわれる状態を状態を指すことがあります。

また、「気分の激しい落ち込み」「強い倦怠感」といった心への影響も大きいです。

体の状態だけでなく、心の状態の変化も見逃さないようにしましょう。

↓自分の天気痛をチェックしたい人のために「天気痛チェックシート」はこちら↓

参考:ウェザーニュース|天気痛チェックシート

体の痛みだけではなく、心の痛みにも敏感になる必要がありますね

自分の状態が気になる人は、天気痛チェックシートを参考にしてみるのも良いでしょう

気象病になりやすい人の特徴3選

「気象病」「天気痛」で悩んでいる人は、多くなっている傾向にあります。

どのような人が「気象病」になりやすいのか、統計データをもとに3つの特徴別にまとめました。

詳しく解説していきます。

ストレスをためやすい人

「気象病」になりやすい人の特徴の1つ目は「ストレスをためやすい人」です。

「気象病・天気痛である」または「気象病か天気痛の症状があると感じる」と答えた人は、生活の中でストレスをためやすい傾向にあります。

統計データ上では、気象病や天気痛を感じない人と症状が出る人の差は、「22.4%」も生じていていました。
参照元:マイナビニュース|「気象病だと思う人」と「そう思わない人」の生活習慣の違いは?
※アイスタットアンケート調査(現在は該当ページは削除されています)

日常生活の中で、ストレスをためてしまいがちの人は、天気や気温・湿度の変化に敏感になりやすいという声もあるようです。

毎日の生活の中で、ストレスを感じがちな人のほうが敏感に反応してしまうのかもしれませんね

日々のストレスを上手に緩和させていくことが大切だといえるでしょう

頭痛・肩こり・腰痛がよく起こる人

気象病になりやすい傾向にある人の2つ目の特徴は「頭痛・肩こり・腰痛がよく起こる人」です。

統計データでは、「気象病を持っている気がする、あるいは気象病であるという人」は、普段から「頭痛・肩こり・腰痛を持っている」と回答していました。
参照元:マイナビニュース|「気象病だと思う人」と「そう思わない人」の生活習慣の違いは?
※アイスタットアンケート調査(現在は該当ページは削除されています)

気象病や天気痛が影響して、筋肉のこわばりや不調を感じてしまう人がいるようです。

頭痛においても片頭痛や緊張型頭痛は「悪天候になると、痛みが気になる」という声も少なくありません。

片頭痛や緊張型頭痛のメカニズムは、まだ原因が解明されていませんが、次のような可能性が高いとされています。

低気圧による片頭痛のメカニズム

一般には血管拡張が原因のひとつであるとわかってきました。
低気圧になると、普段よりも身体に気圧がかかっていない状態になるため、血管は膨張するという説があります。

低気圧による緊張型頭痛のメカニズム

緊張型頭痛の原因として有力なのが、体内で生成されるセロトニンの分泌量です。
低気圧が来ると、体内でセロトニンの分泌量が不安定になります。
セロトニンの分泌量の変動が血管に影響与えてしまい、血管が膨張してしまう可能性が高くなるようです。

※上記内容は、以下のサイトの情報を参考に筆者が編集・要約しています。
参照:スマート脳ドック|天気が悪いと頭痛が起こるのはなぜ? 梅雨の頭痛を和らげる3つの方法

いずれの頭痛も低気圧によって、血管が膨張してしまい引き起こされてしまうようです。

ウェザーニュースのアンケート調査によると、気象病・天気痛で「頭痛」が起こると回答した人は「82%」にまで及んでいます。

天気痛の痛みや症状

参照:ウェザーニュース|天気痛は7割近くが雨や曇りの日に発症、4人に1人が生活への支障あり

日頃から身体に不調を感じている人は、低気圧の影響を感じやすいとされているのですね

普段から「頭痛・肩こり・腰痛」がある人は、低気圧には注意したほうがいいかもしれません

貧血の症状がある人

気象病になりやすい人の特徴、3つ目は「貧血の症状がある人」です。

貧血症状を起こす原因には、鉄が不足してしまうことにあると言われています。

赤血球の生成を促すヘモグロビンを生成する働きをするのが「鉄分」です。

鉄は代謝・細胞増殖などの生命現象に必須の元素であるが,その多くは赤血球のヘモグロビンの構成元素として使われ,酸素運搬に機能している.

引用元:J-Stage|鉄代謝と鉄欠乏性貧血 ―最近の知見―

体内の鉄分が減ってしまうと、赤血球が減少してしまうため、酸素をうまく全身に運ぶことができません。

酸素がうまく運べない状態により酸素不足の状態になると考えており、少ない酸素を運ぶために心拍数は増加します。

酸素を運ぶことに力を使うことで、体の緊張状態は強くなりがちです。

一部では、緊張状態に陥った体は、低気圧の影響を受けやすくなる可能性が高いとも言われています。

体の緊張によって「気象病」や「天気痛」にも繋がりかねません。

鉄不足のセルフチェックシート

参照:奈良医療ガイドブック なら元気NAVI|知っておきたい女性の病気

日頃から貧血症状がある人は、天気や温度・湿度などによって、体に不調につながる場合が多いようです。

貧血によって、体がこわばってしまい、天気痛を起こしやすくなるのですね

貧血の症状がある人は、低気圧の接近時には「体調の変化」に注意するのが良いかもしれません

気象病に対するセルフケアの方法3選

気象病や天気痛による体調の変化には、体質も関係されていると解説しました。

そんな気象病や天気痛に対するセルフケアの方法について、3つ紹介していきます。

耳のマッサージ

気象病や天気痛を和らげるとされる方法の1つ目は、「耳のマッサージ」です。

「めまいや頭痛の原因」は、耳の奥の内耳(ないじ)という箇所で、気圧が変化するのを過剰に感じ取ってしまうためだとされています。

耳の奥の内耳の血行が良くない場合、気圧を感じやすくなる現象が起こりやすくなりがちです。

そのため、内耳の血行を促進するために「耳のマッサージ」をおこなうことで、気象病や天気痛を緩和できるといわれています。

耳のマッサージ方法は、以下の画像を見ながら実践してみてください。

内耳の血行を良くする耳のマッサージ方法

出典:ウェザーニュース|台風発生時の天気痛を軽減する「耳マッサージ」

耳のマッサージでより、効果が得られるとされるタイミングは以下のとおりです。

  • 天気予報で低気圧接近を確認した時
  • 症状が出る前
  • 朝、昼、晩の1回ずつ(予防につながる)

内耳の血行を促進することで、気象病や天気痛を和らげることができるとされているのですね

耳のマッサージは短時間でできるので、毎日続けると良いでしょう

体を温める

気象病・天気痛を和らげるための方法の2つ目は「体を温める」のも効果的です。

体を温める方法としては、「入浴」のほかに「ホットタオル」を、首元や腰に当ててみてください。

気象病や天気痛の原因や引き起こしやすい体質には「筋肉のこわばり・緊張」関連しているとされています。

そのため、肩こりや腰痛などを抱えている人は、筋肉の緊張を緩和するために「体を温めてほぐす」と良いでしょう。

効果的な体の温め方

入浴法:

  • 38℃〜40℃の温度のお風呂で15〜20分入浴
  • 炭酸系入浴剤を使用する
  • 入浴後の急激な温度変化を避ける

ホットタオル使用法:

  • 首筋、肩、腰それぞれの箇所に5〜10分間あてる
  • タオルの温度は40℃〜45℃程度が目安
  • 1日2〜3回おこなう

筋肉のこわばりや緊張をほぐすことで、全身の不調を和らげる効果が期待できるともいわれています。

気象病や天気痛による症状への対処法を知っているだけでも、気持ちは楽になりますね

入浴やホットタオルの利用は、体を温めるのに適しています

↓お風呂キャンセル界隈の人向けのタイパの良い入浴方法の記事はこちら↓

生活習慣の見直し

気象病・天気痛の症状を和らげるために有効な手段の3つ目は「生活習慣の見直し」です。

気象病や天気痛の原因には、自律神経のバランスの乱れが挙げられます。

そのため、日常の生活で「自律神経を整えておくこと」が大切です。

自律神経を適切に整えるためには、規則正しい睡眠や栄養のバランスを考えた食事を摂るようにしましょう。

ストレッチやウォーキングなどで、体を動かすことも自律神経のバランスの調整に大きくつながります。

規則正しい睡眠リズム:

  • 就寝2時間前からスマホやパソコンのブルーライトを避ける
  • 室温は22〜26℃、湿度は50%〜60%で保つ
  • 毎日同じ時間に就寝し、同じ時間に起きる

食事による栄養管理:

  • 鉄分の豊富な食材を摂り入れる(レバー、ほうれん草、ひじきなど)
  • ビタミンB群を含んだ食材を摂取する(豚肉、卵、納豆など)
  • マグネシウムの摂取にも取り組む(アーモンド、海藻類など)

適度な運動:

  • ウォーキング:1日30分程度
  • ストレッチ:朝と夜に10分ずつ
  • ヨガや太極拳などの有酸素運動も効果的

日々の生活習慣を見直すことで、気象病や天気痛の緩和や予防にも効果的です。

生活習慣の改善が大きく影響するのは、どんな体の不調に対しても有効ということですね!

「体調がすぐれない」と感じたら、日々の生活の改善を心がけると良いですね

気象病での医療機関受診の目安

気象病による症状が気になる場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

医療機関への受診に関する症状の目安や診療科は、次のとおりです。

緊急受診が必要な症状

  • 激しい頭痛で日常生活に支障が出ている
  • 意識がもうろうとしている
  • 吐き気や嘔吐を伴った頭痛が起こっている
  • 発熱を伴う症状がみられる

一般受診を検討すべき症状

  • 月に数回以上の頭痛がある
  • 症状が少しずつ悪化している
  • 仕事や生活に影響が出始めている

受診する診療科

  • 内科:全般的な体調不良
  • 神経内科:頭痛、めまいが主な症状
  • 整形外科:肩や腰など関節痛が主な症状
  • 心療内科:不眠や激しい不安感などの精神的症状が強い

まとめ

今回は、梅雨時期や台風が接近する時期に引き起こされることが多い「気象病とは何か」について解説していきました。

また、気象病と天気痛の違いや引き起こしやすい人の特徴、気象病へのセルフケアの方法も紹介しました。

記事の内容をまとめると、以下のとおりです。

  • 気象病という言葉は「気象によって受ける影響全般のこと」を意味する
  • 天気痛という言葉は「悪天候によって痛みが悪化すること」を意味する
  • 「気象病」と「天気痛」は、正式な病名ではない
  • 気象病や天気痛は「ストレスを溜め込みやすい」「頭痛・肩こり・腰痛持ちの人」「貧血症状がある人」が引き起こしやすい
  • 気象病へのセルフケアには「耳のマッサージ」「体を温める」「生活習慣の見直し」が効果的

梅雨時期や台風が発生しやすくなる時期に、気象病で悩まされている人は、今回紹介したセルフケアを取り入れてみるのも良いでしょう。

低気圧の影響で辛い時期を乗り越えて、穏やかな日々を送ってくださいね。

記事内で紹介した内容は、健康に関する一般的な情報をわかりやすくお伝えすることを目的としています。
体調に不安がある方や症状が長引く方は、必ず医療機関を受診してください。

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